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Linkwitz Transform-8 番外編

クロスオーバーに続いて、Linkwitz Transformもまさかの番外編です(笑)

正確にはLinkwitz Transformと言っているわけではありませんが、フランスDevialet社のアンプにはSAMという低域拡張マネジメントがあります。ここに、ATC SCM12slが追加されていました。


Bass extension 47Hz -> 14Hz

3.3oct違います。
密閉型は一般に-12dB/octで低域減衰するのですが、40dB以上ブーストしてるのでしょうか...??
さらにメーカー発表ではCut-off Frequencies (-6dB, free-standing) :62Hz、拙宅の個体で56.29Hzですが、47Hzはどこのポイントなんでしょう。

うーん、興味深い!
しかしこのサイズのスピーカーで14Hz再生はドリームすぎる気がする...
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by tetsu_mod | 2016-03-01 19:22 | オーディオ | Comments(0)

Linkwitz Transform-7

そういえば、感想を書き忘れていました。

Linkwitz Transformとしてはちょっと失敗していますが、12dB/octシェルビングによる低域ブースト、気に入っています。超ど級アンプを繋いだから低域の制動力が!という類の変化ではなく、単純に下にのびて、足下というか、床というか、土台がよく分かる感じがします。
(いつものDIYバイアスがかかった評価です。)

ただ、やはり低域ブーストなので、過大振幅によるユニット破損が心配です。
集合住宅なので、実際にはそのような大音量は出せないのですが...
念のため、ATC SCM12slの推奨アンプ出力:50〜300Wにしたがって、IPD1200の出力リミッターを300Wに設定しました(Max 600W)。


面白いことには、映画音楽と小音量リスニングが楽になりました。
しばらくはこの設定で楽しみたいと思います。
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by tetsu_mod | 2015-02-05 22:18 | オーディオ | Comments(0)

Linkwitz Transform-6

低域特性の測定に、near filed測定を行いました。
アンプ側のEQを用いるため、ARTAの測定はシングルchモードです。

d0122127_19361438.jpg

黒:EQあり
緑:EQなし です。

これだけではなんのこっちゃなので、先日のCFLによるシミュレートを含めて、speaker workshopに取り込みました。

d0122127_1937289.jpg

白:設計段階シミュレート
緑:EQなし実測
黄:EQあり実測
青:CFL EQなしシミュレート
ピンク:CFL EQありシミュレート

あれれれれれ。
そもそも、白:設計段階シミュレート / 緑:EQなし実測 / 青:CFL EQなしシミュレートが一致していません。シミュレートのためのインピーダンス計測がApolloのヘッドフォン出力、実測ではIPD1200の出力との違いもありますが... ユニットやエンクロージャーの動作も違うのでしょうか。
難しいですね....

それでも、1オクターブは達成できていないものの、確かに低域は延長されています。
-3dB: 68.94Hz → 64.28Hz
-6dB: 56.29Hz → 46.60Hz

これでスペックとしては 64.28Hz〜20kHz (±3dB, 46.60Hz: 6dB)のスピーカーになります。
個人的には満足ですが、Linkwitz Transformの実験的には釈然としない部分が残ります。またトライしたいところですが、+12dB以上のブーストをかけるのはちょっと...
ちょっと後味が悪いですが、Linkwitz Transformはこれでいったん終了としたいと思います。
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by tetsu_mod | 2015-02-02 20:31 | オーディオ | Comments(4)

Linkwitz Transform-5

本来はアナログであるLinkwitz Transform回路をDSP(パラメトリックイコライザー・シェルビング)で再現する方法ですが、6年ぶりに調べてみると、daredevilさん(Linkwitz氏設計のdipole speaker自作で有名な方)が日本語でまとめてくれていました。今回はありがたくこの公式を使わせていただこうと思います。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=32463&id=76493258

すなわち、
Qs>0.5の場合において、

PEQ1
Qo=Qs×Qt
 Qo:イコライザーのQ
 Qs:スピーカーシステムのQ
 Qt:ターゲットとするQ

Go=20log(Qt/Qs)
 Go:パラメトリックイコライザーのゲイン
 Qs:システムのQ
 Qt:ターゲットとするQ

Parametric EQ 1
fs (Hz), Gain=Go(dB),Q=Qo

Shelving
Go=40*log(fs/ft)
 Go:シェルビングフィルターのゲイン
 fs:スピーカーシステムの元々の最低共進周波数
 ft:ターゲットとする最低共進周波数

Low Shelving
Gain+Go(dB), ft(Hz) 12dB/oct

PEQ2
Qo=0.707×Qt
 Qo:イコライザーのQ
 Qt:ターゲットとするQ

Go=20log(Qt/0.707)
 Go:パラメトリックイコライザーのゲイン
 Qs:システムのQ
 Qt:ターゲットとするQ


fo=fc
 fo:パラメトリックイコライザーの設定周波数
 fc:再定義後の最低共進周波数

Parametric EQ 2
fc (Hz), Gain=Go(dB),Q=Qo
です。


密閉型・オープンバッフル型では低域特性は-12dB/octで低下しますから、1オクターブ延長しようと思えば、自動的に12dB増幅することになります。バスレフ型ではここにポートの-6dB/octの特性がのることで、-18dB/octとよりロールオフがキツくなるため、密閉型がダラ下がりで伸びると言われる所以ですが、おそらくDeviallet SAMは+18dB/octのシェルビングを設定してるんじゃないでしょうか。。


さて、この計算式を、前回求めたシステムのf/Qと目標とするf/Qで計算してみます。
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Step1PEQ
Gain1-1.497197445
Q10.59388
f169.84

Step212dB/oct Low Shelving
Gain212.00144745
ft235

Step3PEQ
Gain30
Q30.499849
f335

求めた3種類のEQの設定を、IPD1200のEQに入力します。
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さて、これでシミュレーション通りの低域特性になったのでしょうか?
d0122127_1439184.jpg

http://audio.claub.net/software/LTwithMC/LTwithMC.html
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by tetsu_mod | 2015-02-01 15:10 | オーディオ | Comments(0)

Linkwitz Transform-4

密閉型スピーカーでの目標とする最低共振周波数(fc)と先鋭度(Qc)ですが、どこが理想的なのでしょうか。


(http://www.maximintegrated.com/jp/app-notes/index.mvp/id/4525)

一般的によく言われるのは、Q=0.5の場合は臨界制動と呼ばれ、過渡特性が最良の状態です。もう一方が、 Q=0.7の場合では周波数特性が最良となります。質か量かの問題ですが、一般的にはQ=0.7〜0.9がいいと言われているようです。

そこで、市販密閉型スピーカーの特性表を何個か集めてみました。

クリプトン KX-5
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(http://www.kripton.jp/fs/kripton/kx-5)

以下はStereophile webからのデータです。

Harbeth HL-P3
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ATC SCM7
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ATC SCM11
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Aerial acoustic 5B
d0122127_19362119.jpg

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MAGICO V3
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MAGICO Q5
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眺めるとなかなか面白いですね。
クリプトンはどうもこのQの制御にはこだわっているようで、『7.厳選されたミスティックホワイトと天然ウールのハイブリッド吸音材による低域制動(Qo)特性の調整』とうたっています。聴いたことがないので、なんとも言えませんが... 特性を見る限り、Qは0.5〜0.7でしょうか、低域の伸びよりも過渡特性にこだわったように見えます。

悩ましいところですが、まずはQ=0.707で設計してみることにしました。
Audio Machinaも『The Bomb の回路構成は、Linkwitz フィルターをベースに構成され、The Ultimate Monitor との組み合わせにおいて、ベース再 生の指標となる物理量 Q値が密閉型スピーカーの最適値である0.7を厳密に実現するようにされています。』と言っていることですしね。


最低共振周波数ですが、極論すればこれは低ければ低いほど、ワイドレンジな再生が可能になりますが、中域の音圧に対して低域の音圧がブーストされるため、過振幅によるユニット破損の可能性や、非線形歪みの増加といったデメリットがあります。SCM12sl/ⅡのSCM20sl用ユニットは、sl化にモデルチェンジの際に、確か大振幅への歪み率低下などを言っていた気がします。うろ覚えですが、±9mmの振幅を補償していたような... 間違えていたらすいません。
答えは出ませんが、ここもAudio Machinaを参考にさせてもらって、1オクターブの低域拡大を目指そうと思います。

最終的に、
・目標とする最低共振周波数(fc) = 35Hz
・目標とする最低共振周波数での先鋭度(Qc) =0.707
となりました。これで、必要なパラメーターは揃いました。(続)
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by tetsu_mod | 2015-01-30 19:52 | オーディオ | Comments(0)

Linkwitz Transform-3

Linkwitz Transformを設定するために、
・スピーカーの最低共振周波数(f)
・スピーカーの最低共振周波数での先鋭度(Q)
を測定する必要があります。

これらはインピーダンスカーブから求めることが出来ますが、ARTAの姉妹ソフトウェア、LIMPにはウーファーの有効直径を入力することで、これらを計算してくれます。

d0122127_21273380.jpg


今回はエンクロージャーの設計などはしませんので、Vasなどの測定はしません。
また、最低共振周波数はユニットのコンプライアンスとも相関するため、一般的にエージングがすすんでエッジやダンパーが柔らかくなると低下します。SCM12sl/Ⅱのユニットは12年も使っているので、もう今更エージングは必要ないと思いますが、それでも測定前に低周波音源でストレッチはしておきました。

LIMPの自動計算の他に、自分でも手計算してみましたが、ほぼ同様の結果が得られました。
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これは実はLIMPで自動測定したのと別の日のデータに基づいています。
fsは2Hzほど変動していますが、Qtはほぼ一緒です。

そこで、fs=69Hz, Qt=0.84として設計することにしました。
次は、目標とする最低共振周波数(fc)と先鋭度(Qc)の設定です。(続)
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by tetsu_mod | 2015-01-28 21:36 | オーディオ | Comments(0)

Linkwitz Transform-2

Linkwitz Transformは本来、密閉orオープンバッフルに対するOPAMPアナログ回路で提唱されています。6年前には、回路図・素子定数まで設計しましたが、当時使っていたパワーアンプ(LM3886)では60Wしか出力が取れないため、断念しました。

しかし、現在はLab.Gruppen IPD1200がメインアンプです。
2x600 W@4Ωの強力なパワーと、IntelliDrive ControllerによるDSP制御で、Linkwitz Transformを再現できないかと考えました。
同じような発想を、フランスのDEVIALET社がSpeaker Active Matching(SAM)テクノロジーという名称で行っています。これは市販のスピーカーをプリセットして、低域特性の調整を行うようです。探してみたところ詳細は秘密のようですが、Linkwitz Transformに近しい補正ではないかと思っています。


d0122127_23131475.jpg

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d0122127_23134568.jpg

(https://ja.devialet.com/speakers-jp/magico/magico-q1)

BASS EXTENSIONが38Hz→16,4Hzとなっていますが、MAGICO Q1は公式スペックが± 3dB 32Hz 〜 50kHzとなっていますので、BASS EXTENSIONの値はスピーカーの最低共振周波数だと思われます。興味深いのは、DEVIALET社 SAMでは、バスレフスピーカーも補正対象です。どうやってるんだろう...


DEVIALET SAMのアルゴリズムは不明ですが、SCM12sl/Ⅱは密閉ですので、深く考えずにLinkwitz Transformを検討しましょう。

Linkwitz Transformを設定するのに必要なパラメーターは、
・スピーカーの最低共振周波数(f)
・スピーカーの最低共振周波数での先鋭度(Q)
・目標とする最低共振周波数(fc)
・目標とする最低共振周波数での先鋭度(Qc)
この4つだけです(続)
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by tetsu_mod | 2015-01-26 23:26 | オーディオ | Comments(0)

Linkwitz Transform-1

クロスオーバーが完成したSCM12sl/Ⅱですが(勝手に命名)、
低域の再生限界は純正状態と変わらず、62Hzです(-6dB, free-standing、near field)。
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密閉型スピーカーはユニット特性と箱容積・吸音材のみで低域再生限界が決まり(箱の強度を無視した場合)、低域再生の量感などは一般的にバスレフ型に劣ります。市販スピーカーの8割以上がバスレフのようです。

密閉型で低域再生を伸ばそうと思えば、ユニットを大きくするか、エンクロージャーを大きくするor吸音材は大量に入れて見かけ上のエンクロージャー容積を大きくする、です。KEF社ではACE技術という名称で活性炭をエンクロージャー内にいれ、2倍の容積をスピーカと同様の低音特性をうたっています。
http://kef.com/html/jp/innovation/ace/index.html
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(http://www.kef.jpより)

この活性炭は一時期、日本でも自作スピーカーで盛り上がりましたね。
しかし、湿気などで活性炭が長持ちするかと言うと...


そこで、物理的手法による低域拡大をあきらめ、6年前から試してみたかった、Linkwitz Transform を行うことにしました。
http://www.linkwitzlab.com/filters.htm
http://sound.westhost.com/linkwitz-transform.htm
http://www.sound.westhost.com/project71.htm

これはクロスオーバースロープ(リンクウィッツ・ライリー)で有名なLinkwitz氏が考案したウーファーの低域特性補正回路です。もともとはプリ〜パワーの間に挟むアクティブフィルターとして提唱されました。理詰め設計のスピーカーの金字塔の一つ、Audio Machina社のThe Ultimate MonitorにもThe Bomb (Bottom Octave Magic Box)という名前で採用され、70Hz(-1dB)⇨25Hz(-3dB)まで拡大します。(と言いつつ、このスピーカー聴いたことありません。いつか聴いてみたい。)

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http://www.zephyrn.com/products/audio_mac/ultimate.html


実はLinkwitz Transformはオープンバッフル(平面バッフルもしくは後面開放)もしくは密閉型しか対応しません。もちろんSCM12sl/2は密閉ですので、導入できないかと考えました。(続)
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by tetsu_mod | 2015-01-25 19:40 | オーディオ | Comments(0)