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クロスオーバー-25 周波数特性のゴール

周波数特性測定に続いて、インピーダンス測定をしたいのですが、
なかなか時間がとれない日々が続いています。


さて、話を変えて。
今回のクロスオーバープロジェクトで最も悩ましいのは、
スピーカーの周波数特性のゴールをどこにするのか、です。

ざっくばらんに言うと、
三ツ山特性にするのか、フラットにするのか、です。

前者は古くからよく用いられる特性で、
SS誌の測定特集の際にも、「多くの人に好まれる特性」と紹介されています。
古くからあるので好まれているのか、
好まれるから古くからあるのか、は分かりませんが...

もちろん、現代的なモニタースピーカー、代表格としてGenelecやNeumannは、もちろんフラット派です。
いっぽう、NS-1000Mの時代(さらにはもっとその前から)から現在においても、
コンシューマーでは三ツ山特性が多く用いられています。
個々の例に関しては、Stereophile誌はスピーカー紹介にほぼ必ず測定データを載せてくれていますが、
一例を上げると、Paneraiさんが使用しているDynaudio sapphireも典型的な三ツ山です。
クロスオーバー-25 周波数特性のゴール_d0122127_12392638.jpg


実はATCも古くから三ツ山特性を多く用いています。

SCM70
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SCM50
クロスオーバー-25 周波数特性のゴール_d0122127_1236299.jpg


SCM11
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いずれもネットから拾わせていただいた情報です。
三ツ山にしているというべきなのか、クロスオーバーを見る限り、バッフルステップに頓着してないというべきなのか....

もちろん、周波数特性がスピーカーやオーディオのすべてでは決してないですが、
大きなファクターであることは疑いようがないでしょう。

コンシューマースピーカーの測定を見ている限り、
どうも『美味しい三ツ山』を作るのがメーカーの腕の見せ所・味付けの機微なのだと思えてきます。
その一方で、Genelec社ではインストーラーマニュアルに『試聴位置で周波数特性は±2.5dBに入らなければならない』と言い切っています。現に、彼らはそのために±1dBのスピーカーを作り、さらには部屋残響マネジメント用のDSPまで完成させています。
このような部分が、コンシューマー・プロの立ち位置の違いでしょうか。

では、自作派(日本以外)の人々の動向はどうなのでしょうか。
見渡す限り、ほとんどはフラット派のようです。
有名な自作系サイト、DIY Loudspeaker projectsに至っては、
三ツ山特性のNS-1000M用にフラット特性のネットワークを設計・販売までしています。
(これは一度聴いてみたい)


ただ、我々一般的なオーディオマニアは、姿や音が気に入ったスピーカーを大枚叩いて購入します。
なので、Genelec社風の言い方を借りるならば、『(無響音室軸1mでのスピーカーの周波数特性を知った上で、)試聴位置で所有するスピーカーの周波数特性から±3dB程度』というのがゴールでしょうか。
もともとのスピーカーの性能を無視したイコライジングなどは、個人的には懐疑的です。

話がそれました。
さて、今回僕はどうしたらいいでしょう。
コンシューマースピーカーを買ったうえでの改造ですので、
ATC社の音作りに敬意を払い、ウーファー側をノーマルクロスオーバーでそれに繋がるようにツィーター側のクロスオーバーを設計するのか?
それとも、フラットなクロスオーバーを完全に新規設計するのか?


かなり悩ましいことですが、今回はフラットを目指そうと思います。
なにより、フラットが気に入らなければ、Universal Audio Apolloで気に入るまで三ツ山特性のイコライジングをかければいいだけです(笑)
by tetsu_mod | 2014-11-02 12:52 | オーディオ