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Garrard 4HF and her TPA tonearm (3)

まずは3pin構造からの脱却と、有効質量の軽減のためにヘッドシェル一体型アームの設計を考えないといけません。

今回はmounting distance(スピンドル中心〜アーム軸中心)は固定されているので、そこからeffective length(アーム軸中心〜スタイラスチップ先端)と、offset angleを設計することにします。これらの設計によって、妥当な範囲でのカートリッジのtracking angle (tracking error)を目指すことにしました。そこで、tracking angleとスピンドル中心からの距離を、OrtofonやKuzmaの資料、また市販されているアームたちの公表データから、エクセルで簡単な計算を組んでプロットしてみました。

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市販されてるアームのデータをプロットしてみました。結構ばらつきがありますね... 概ね、Inner null radius (INR)が66mm、Outer null radius (ONR)が121mm周囲に集まることから、Ortofonの提唱する範囲に集まっている傾向はありそうです。

これらを参考にしながら、Garrard 4HFのmounting distanceから妥当な範囲の設計を考えてみました。

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このeffective lengthと、offset angleからシェル一体型アームを考えます。



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しかしながら、純正のベアリング(というか軸受機構)は使えない判断でした。

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すなわち、ここからは機械的な設計として垂直方向のベアリングと、Azimuth調整機構と、SRA/VTA調整機構を考えないと行けません。

# by tetsu_mod | 2026-01-04 11:02 | オーディオ

Garrard 4HF and her TPA tonearm (2)

ターンテーブルが鉄板プレスなのは初期のTHORENSやGarrardで見られ、MMカートリッジでは問題ないもののMCカートリッジではカートリッジ自体の磁力で設定針圧以上になってしまいます。それでもMCカートリッジを使いたかったので、単純にターンテーブルマットで距離を稼ぐことにしました。

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手持ちのマットで試したところ、5mmのフェルトマットであれば問題なく再生できそうです。
友人から譲ってもらったTHORENS Prestige用のマットを使うことにしました。


あとはシェルが3pin仕様なことと、tonearmが重すぎること、垂直方向のベアリングの感度が芳しくないことが問題です。
そこでジャンクのGarrard TPAアームを入手し、リバースエンジニアリングしてみます。

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うーん、アナログ...
実測採寸したデータを3D CADにおこし、3DPでABS樹脂で出力してみます。

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ボディ〜アーム〜シェルの構造のなかで、ここではアームのみを樹脂に置き換えてみたところ、それでもアーム部分だけで31g→16gの軽量化になりました。このまま組み立てることもできるのですが、3pin構造とベアリング部分が手つかずです。シェルは一体型で出力することも可能でしたが、ベアリングははるか昔の製品のため、現在の規格品との互換性がありません。
困った。

(続く)

# by tetsu_mod | 2025-12-09 23:12 | オーディオ

Garrard 4HF and her TPA tonearm (1)

縁あって、友人からGarrard 4HFを譲っていただきました。

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CDメディアの衰退後、オーディオ趣味ではアナログが復興を迎えハイエンド機材も多くリリースされましたが、個人的には以前からこのデザインが大好きで、友人に「手放すときは...」とお願いしており、そのタイミングがきました。

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英国Garrard社製、1958年にリリースされた4HFですが、これはイギリスからアメリカに、そして日本に渡ってきた個体のようです。ボディのないトッププレートだけの個体も多いなか、ボディも含めて程度のいい個体は少なく、貴重な個体をお迎えしました。動作は安定しており、音もちゃんと出ます。


しかし、もちろん設計製造から60年以上が経過し、現代使用にはそのままでは難しい部分もあります。

1. ターンテーブルは鉄板プレス品
 鉄板のためMCカートリッジはその磁力でターンテーブルに引き寄せられ、針圧がうまく設定されません。

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2. シェルが3pin仕様
 モノラル→ステレオレコード登場の変遷期の製品であり、純正ヘッドシェルは3pin仕様です。ステレオ配線もできますが、Cold配線が共通となります。

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3. tonearmの重量・動作
 Garrard 4HFには、同じくGarrard社製tonearm・TPAシリーズが搭載されています。アームはダイキャスト製で、かなりの重量があります。また、軸受はまだ小型ベアリングなどが普及する前のこともあり玉軸受であり、スタティックバランスとしてゼンマイバネでゼロバランスを、コイルバネで針圧印加をする構造です。これらの経年劣化により針圧が安定せず、またアーム重量と相まって針圧が5〜8gのものを使えば問題ありませんが、現代的なカートリッジ針圧(1.5〜2.5g)では外周でトラッキングエラーにより溝飛びを起こす状況でした。
 この問題から1960年代中盤のGarrard 401以降ではこのアームは使われることなく、SMEやOrtfonに駆逐されていきました。

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しかしこのターンテーブルとアームのデザインは、全体のデザインとよくマッチしているため、このデザインを保ったまま対策したいところです。

# by tetsu_mod | 2025-09-07 11:43

DIY Loudspeaker Builder's Meeting 2025

今年も、2025年10月12日に、2way以上が参加条件の自作スピーカーミーティングが大阪で行われます。

参加ご希望のかたは、8月31日までにお申し込みください。


日時と場所

2025年10月12日 12:50~17:30

YOSHUホール(大阪市中央区南船場1丁目4−11 モリビル2F)


現在、発表作品を募集中です。

参加ご希望の方は応募フォームに申込者情報、作品の概要を記入のうえ、2025年8月31日必着で以下の宛先へ送付してください。


応募フォームのダウンロード

https://diy-audiospeaker.sub.jp/


問い合わせ、応募フォーム送付先

diyloudspeakermtg@gmail.com


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(このblogを1年更新してなかったことにビビリつつ)


# by tetsu_mod | 2025-05-11 21:36

DIY Loudspeaker Builder's Meeting 2024

2024年9月22日に、2way以上が参加条件の自作スピーカーミーティングをIridiumさん発起人となり大阪で行います。

参加ご希望のかたは、7月31日までにお申し込みください。





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# by tetsu_mod | 2024-06-09 10:37