multipoint REW測定(7)

複数点測定で分かることの1つが、スピーカーセッティングです。
測定をしていてよく言われることが、「測定位置(=視聴位置)でごろごろと波形が変わるから、意味ない」という意見です。

6点 Rch
d0122127_1211433.jpg


6点 Lch
d0122127_12115938.jpg


確かに、6点で違う部分も多いですが、共通点も多いです。
(1)61HzのdipはR/Lchおよび6点すべてで共通している。
(2)Rchの136-164Hzのdipは6点すべてで共通している。
(3)150Hz以下のpeakはR/Lchおよび6点すべてで共通している。

(3)は部屋の残響特性によるものですが、
(1)、(2)に関してはスピーカーセッティングによるものと判断できます。

d0122127_1216218.jpg

6箇所測定をR/Lchそれぞれアベレージングした波形です。
緑線がRch
紫線がLch

拙宅はL字リビングですので、中央に近い(右壁から遠い)Rchでは、
コーナーに近い(左壁に近い)Lchに比べて、
136-164Hzで大きくdipがでてしまいます(キャンセレーションディップ)。
よく、セッティングに関しては直接音・反射音の関連から「壁から離すこと」を言われますが、狭い日本住宅においては中途半端な距離ではその弊害のほうが大きいと思っています。

一方で61Hzでは左右同じdipが見られ、これは床か前後壁の影響が考えられます。
Linkwitz transformの効果もあって、36Hzまでレスポンスが見られますが、現状のセッティングでは61Hz付近は再生できていません。

すなわち、矢印で示したdipが現状のフリースタンディングセッティングの限界となります。
これへの対策としては、boostしてもキャンセルされるだけですので、ヘッドルームの圧迫や歪み率の増大を招いてしまうだけです。本来であれば、80Hz前後でローカットして、サブウーファーを追加すればいいのですが、Wife Acceptance Factor的に断念....
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-30 12:21 | オーディオ | Comments(0)

ここまで、個人的にEQ補正は
・複数点計測
・複数の測定データ
・低域のみ
・cutのみ
・最小補正
として行ってきました。制約が多いですよね。

試しに、
・中央前列1点測定
・リアルタイムアナライザーデータのみ
・全帯域補正
・cut,boostあり
・補正上限なし
とした場合、どうなるかをシミュレーションしてみます。

まず、中央前列での測定データを元に、A社のデジタルイコライザーを模して1/6アベレージングを元に全帯域補正を作ってみます。

d0122127_15143685.jpg

えんじ色:補正前
赤色:補正後
これだけを見ると、とても美しいフラットネスです。

この場合の補正カーブはこのようになります。
d0122127_15155766.jpg


この補正カーブを、別の位置での測定データに適応してみます。
すなわち、一点データを元に全帯域boostもしてフラットにした場合、椅子をリクライニングしたらどうなるか、というシミュレーションです。
d0122127_15171066.jpg

濃紫色:補正前
薄紫色:補正後

220Hzおよび1kHzに強烈なピークが現れています。
すなわち、1点だけのフラットへboost補正しても、椅子をリクライニングしただけで意図しないピークを持つことが分かります。そして、耳の位置を全く動かさずに聴かれる人を除いては、このような補正はむしろ違和感を感じますし、むしろないほうがマシだと思っています。

個人的な結論としては、room EQはフラットネスを約束するものでも、夢の高音質を約束するものでもなく、あくまでアコースティックな追い込み(スピーカー位置のセッティングや、ルームアコースティックなど)のさらに先に、どうしても乗り越えれない部屋の影響をエレクトリックに乗り越えるためのツールです。そして、それは制約の多いリビングオーディオほどその需要は高いと思っています。
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-27 15:25 | オーディオ | Comments(0)

multipoint REW測定(5)

ターゲットカーブの作り方で最小補正としましたが、
拙宅では150Hz以上の傾きをベースにターゲットカーブを設定するようにしています。

というのも、残響特性が250Hz以下で残響時間が長くなるため...
RT60
d0122127_1117391.jpg


残響時間により残響減衰が揃わないためです。
Decay(40-80-120-160msec)
d0122127_11184726.jpg


Waterfall
d0122127_11191589.jpg


Spectrum
d0122127_11194230.jpg


Decay, Waterfall, Spectrumで見ても150Hz以下のpeakが残っていることが分かります。
この部屋に規定されてしまう残響過多を対処することこそがroom EQの目的だと思っています。さらに言えば、ベーストラップや共鳴管で対処できないリビングオーディオこそroom EQの真骨頂かと...
また、このような特性は一点RTAで周波数特性だけをみても汲み取りにくい情報です。
しかし、複数の測定方法の意味と解釈を勉強すれば、もっと面白くなると感じています。
(続)
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-26 11:23 | オーディオ | Comments(0)

multipoint REW測定(4)

さて、最近ではすっかり堕落オーディオマニアと化しているので、
お恥ずかしながら寝そべってyou tube、なんて時間も多いです。
そこで、今回は前列・後列で平均化したデータ、平たく言えば6点全部で平均化されたデータから補正カーブを作ってみようと思います。

d0122127_2061688.jpg

緑線:Rch
紫線:Lch

測定データは決定しましたが、次の問題はターゲットカーブです。

個人的には、あくまで個人的には、最小限のpeak補正が基本だと考えています。
d0122127_2083172.jpg


その一方で、100-200Hzを削っていくと、最低域の量感は保たれたままにミッドローは締まってキレよく聴こえ、Hi-Fiな再生に聴こえる傾向のようです。
d0122127_2095650.jpg


100Hzまではフラットですがそれ以下を3-6dB程度持ち上げているスピーカーがありますが、このような効果を狙っているものだと思います。



さて、Genelec社は「視聴位置でプラスマイナス2.5dB以内の再生が理想」と言っていることですし、
6点測定データ・+2dB以上を最小限補正としてみました。

Rch 補正カーブ
d0122127_2013881.jpg


Lch 補正カーブ
d0122127_20134983.jpg

[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-25 20:14 | オーディオ | Comments(0)

multipoint REW測定(3)

今度は後ろの位置での測定波形です。
前回同様、R/L chそれぞれに 後左・後中・後右で比較してみます

Rch 後左・後中・後右
d0122127_22315066.jpg


Lch 後左・後中・後右
d0122127_22322462.jpg


今回も左右のデータは平均化した上で、
前位置・後位置でのデータを比較してみます。

Rch 前(青線)・後(緑線)
d0122127_2233524.jpg


Lch 前(ピンク線)・後(黄線)
d0122127_2234126.jpg


200Hz以下の特性は、視聴位置と後ろ壁との距離が支配的であることがよく分かります。
30cmバック・10cm下がりのリクライニングでこれだけ変化します。
個人的に、このようなデータをみるだに一点測定・全帯域フラット補正・ブーストありは頭を全く動かさないという条件でない限り、困難ではないかと痛感します。

さて、これらのデータを元に補正EQカーブを作っていくのですが、
1. メイン視聴位置(前)で作る
2. 前後位置平均化で作る

これはリスニングポイント(スタイル)の比率と好みでいいかと思います。
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-23 22:54 | オーディオ | Comments(0)

multipoint REW測定(2)

6点もあるとデータの整理が大変です。
まず、R/L chそれぞれに 前左・前中・前右で比較してみます。

Rch 前左・前中・前右
d0122127_1731656.jpg


Lch 前左・前中・前右
d0122127_1734372.jpg


例えば80Hzのdipはマイク位置で変わることから、おそらく視聴位置左側の壁との距離によるキャンセレーションディップであることなどが多くのことが分かります。

基本的なroom EQの思想としては、dipの対処ではなくpeakの制御ですので、その視点で見るとピークが出る周波数・音圧は左右ではpeakの発生する周波数およびpeakの音圧上昇は左右で位置を変えても共通しているようです。

今回は1点の視聴位置でのみ最高の音圧分布ではなく、複数の視聴位置である程度の音圧分布を目指すのがゴールですので、左右のデータは平均化してもいいと判断しました。

前左・前中・前右でaverageしたR/Lch
d0122127_1773962.jpg


(続)
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-22 17:07 | オーディオ | Comments(0)

multipoint REW測定(1)

拙宅は変型のリビングオーディオのため、定在波シミュレーションがうまくできません。
そこで、懸案だった複数箇所での測定をREWでしてみることにしました。

測定箇所はリスニングポイントを中央前列とし、
後列は少し寝そべった体勢をイメージし、30cmバック・10cm下がり
左前・中前・右前
左後・中後・右後
の6点測定としてみました。

Rch 6points
d0122127_12592469.jpg


Lch 6points
d0122127_12595248.jpg


(続)
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-21 13:00 | オーディオ | Comments(0)

Room EQ確認

果たして、room EQで補正した結果はシミュレーションした通りになるのでしょうか?

測定日にちが違い、マイクの位置が完全には一緒でないことは承知のうえで比べてみました。
2016年4月27日 Rch 補正なしデータをもとにEQを設計
d0122127_0324849.jpg


2016年4月27日 Rch 補正なしデータと
2016年6月20日 Rch 補正ありデータとの比較。
d0122127_0343480.jpg


どうも、補正はうまくいっていそうです。

次は、以前より懸案だった複数ポイントでの測定を行ってみたいと思います。
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-21 00:35 | オーディオ | Comments(0)

Room EQ雑感(続)

d0122127_23373253.jpg


d0122127_23374143.jpg

[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-08 23:38 | オーディオ | Comments(0)

Room EQ雑感

ずっとRoom EQをイジり続けています。
何回か拙宅オフ会があったのですが、お客様には結論の出てないセッティングのままお願いしています。

最近教えていただいたのですが、REW(generic)で作成したEQ filterにおいて、表示されるQ値とIPD1200で操作するQ値が互換性がありませんでした。
約2倍してIPD1200に入力するといいようです。

現在のターゲットカーブは100Hzまではフラット、それ以下は低域上昇にしています。
300Hzまでターゲットカーブから+3dB以上のピークのカットのみ、ターゲットウィンドウは+2dB程度にしていますが、実際は聴きながら適当です。

いつか自分なりの結論を見つけられればいいのですが...
[PR]
by tetsu_mod | 2016-06-07 19:41 | オーディオ | Comments(0)