multipoint REW測定(6 番外編)

ここまで、個人的にEQ補正は
・複数点計測
・複数の測定データ
・低域のみ
・cutのみ
・最小補正
として行ってきました。制約が多いですよね。

試しに、
・中央前列1点測定
・リアルタイムアナライザーデータのみ
・全帯域補正
・cut,boostあり
・補正上限なし
とした場合、どうなるかをシミュレーションしてみます。

まず、中央前列での測定データを元に、A社のデジタルイコライザーを模して1/6アベレージングを元に全帯域補正を作ってみます。

d0122127_15143685.jpg

えんじ色:補正前
赤色:補正後
これだけを見ると、とても美しいフラットネスです。

この場合の補正カーブはこのようになります。
d0122127_15155766.jpg


この補正カーブを、別の位置での測定データに適応してみます。
すなわち、一点データを元に全帯域boostもしてフラットにした場合、椅子をリクライニングしたらどうなるか、というシミュレーションです。
d0122127_15171066.jpg

濃紫色:補正前
薄紫色:補正後

220Hzおよび1kHzに強烈なピークが現れています。
すなわち、1点だけのフラットへboost補正しても、椅子をリクライニングしただけで意図しないピークを持つことが分かります。そして、耳の位置を全く動かさずに聴かれる人を除いては、このような補正はむしろ違和感を感じますし、むしろないほうがマシだと思っています。

個人的な結論としては、room EQはフラットネスを約束するものでも、夢の高音質を約束するものでもなく、あくまでアコースティックな追い込み(スピーカー位置のセッティングや、ルームアコースティックなど)のさらに先に、どうしても乗り越えれない部屋の影響をエレクトリックに乗り越えるためのツールです。そして、それは制約の多いリビングオーディオほどその需要は高いと思っています。
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by tetsu_mod | 2016-06-27 15:25 | オーディオ | Comments(0)