オフ会前にやったこと。(2)

今回は、SP-壁・床・天井などの反射による打ち消し(キャンセレーションディップ)と、SP-壁・床・天井-リスニングポジションまでの反射による重畳を分けて考えれないかと試してみました。

便宜上、short/long-gate measurementsと呼びます。
僕の呼びかたであって正式名称がわかりません。

数多くの『オーディオ用アコースティック対策グッズ』や『アコースティック対策メソッド』がありますが、一般的なRTA測定においてその効果を可視化できるものもあれば、そうじゃないものも多いです。というか、可視化データを出してるところのほうが少ないような。
個人的には、1次反射面の対策やキャンセレーションディップの対策となるものと、残響や定在波の対策となるものを分けて捉えています。後者の代表格は石井式オーディオルームですし、他のボイド管や斜め構造の壁・天井など、これらの対策は残響時間といった指標でその効果を可視化しやすいと思います。
ところが、short-gateでの対策品って、ほぼ可視化データみないのです。

個人的は、short/longどちらの対策も重要だと思っています。
そこで、この問題について色々探したところ、スピーカーメーカーのアヴァロン社のなかに面白い記述がありました。
聴覚/脳のシステムは、100分の1秒以内(10ms)に到達する音を取り込んでしまうので、側壁からご自分の聴く位置までの一次反射をコントロールすることが重要になってきます。表面の堅い壁は周波数別の反響を引き起こし、再現されたサウンドステージに影響を与えます。従って、一次反射の発生する面においての反響を弱める必要があります。室内音響の質を下げる要因となるものの一つが一次反射の存在です。一次反射とはスピーカーから直接放出されてから1/100〜1/50秒後(10-20ms)にリスナーの耳に届く音のことを指します。
スピーカーからの直接放射された音の到達より1/25秒(40ms)以上遅れて音がリスナーの耳に届く場合これはこだまとして聴こえてしまいます。ところが1/50秒前後の遅れなら耳と頭脳の器官は2つの音を1つとしてとらえます。2つの音を1つとしてとらえるとき聞き取れないこのわずかな遅れは、いってみれば隙間として記憶され、反射を作り出す空間の物理的広さを想像させます。
しかし、音楽ソースにはすでに録音現場の空間を想像させる情報が盛り込まれています。一次反射はこのライブの雰囲気を不明瞭にする傾向があり、音に幅がなくなる結果を引き起こすのです。音の到達が1/100秒後である場合、この傾向は特に深刻であり、1/50秒後くらいになるとそれほど問題でもなくなってきます。

(引用:http://www.taiyo-international.com/download/manual/avalon/opus-ceramique.pdf)

前回のインパルスレスポンス測定で、long側のgate時間は200msecとわかりました。
しかし、アメリカメーカーのavalonが提唱するshort-gateである10msecでは、拙宅の6畳リビングでは反射波を含んでしまいます。
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そこで、short-gate measurementは5msecで行ってみました。

Rch 5msec unsmooth
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Lch 5msec unsmooth
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当たり前ですが、short-gate measurementですので、左右対称の部屋ではなくても左右のスピーカーでの特性がそろいます。300Hzの深いキャンセレーションディップも共通です。

さて、やっと本題です。
このキャンセレーションディップの対策をしたいのです。これはEQではもちろん無理で、物理的な対策になります。この300Hzは床・天井からのもののようですが、拙宅には2枚だけアンフィニミュージック社製の反射拡散ボードがありますので、このボードをもって指向錯誤してみました。

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最終的に、2番の場所にボードを置くことが、short-gate measurementの周波数特性が最もよくなる場所でした。

左右スピーカーとも、ボードを置いてのshort-gate measurement(5msec)です。
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この場所にボードを置いて聞いてみると、全然違います。
肉声感というか、bodyが変わってしまうのですが、面白いことに、ボードのありなしでlong-gate measurementの結果はほとんど変わらないんです。
個人的には指向性が保たれていて、直接音と判断できないshort-gateの音はとても重要だと感じました。例え、long-gateな周波数特性に対して、ボイド管や石井式room、GLMやトリノフを含めたEQを用いるとしても、short-gateに主眼をおいた対策は意味も効果もあると感じてます。

short-gate measurementの対策はここまでにして(というかボードは2枚しかない)、
残るはlong-gate measurementの対策をしました。
(続く)
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Commented by daredevils36 at 2015-11-04 07:26 x
こんにちは。
1次反射の検討は大変興味深いです。
僕も出来る限りスピーカーを壁から離してセッティングするのですが、部屋の1次反射音の遅れ具合を視覚的に確認できるツールも有るのでご紹介しておきます。しかし閾値が10msというのはかなり困難ですね(笑)

Richard Taylor
http://rtaylor.sites.tru.ca/2014/11/03/lateral-reflections-in-rectangular-rooms-code/
Commented by tetsu_mod at 2015-11-05 01:50
> daredevils36さん
ありがとうございます、この評価方法が正しいのかは、自分でも疑問なのですが...(笑)
カルダスやアヴァロンの推奨セッティングなども、日本とアメリカの住居環境の違いが如実に出てますよね。拙宅は狭いリビングなので、一捻りが必要です。

ご紹介いただいたscriptは、面白そうですね!どのソフトで動かせばいいのか、自分でも調べてみます。
by tetsu_mod | 2015-11-03 22:32 | オーディオ | Comments(2)