セッティング、EQ 2015ver. -(6)

本稿でセッティング、EQは最後です。
が、ここからは我流のため自信がなく、試行錯誤の段階です。2015年度版としてネットの片隅に置いておこうと思います。

スピーカーの特性を測る場合は、スピーカー・マイクを出来るだけ床・壁・天井から離して、反射波のない4ミリ秒程度のゲートのなかで測定しますが、試聴位置での周波数特性では別のセッティングが必要になります。


僕はマイクは試聴位置・耳の高さで天井向きにセットし、左右のスピーカーは別々に測定・補正しています。
ARTAの測定モードは、Period noise / swept toneのモードはどちらでも結果は変わりませんでしたが、多くのメーカーがswept toneを選んでおり、基本的に後者を用いています。16回アベレージをかけて測定してみていましたが、周波数特性は4回程度で変わりませんでした。Genelecなどは1発測定ですが、拙宅では環境ノイズが大きいため、平均をとっています。
試聴位置が一点固定できない場合は、試聴位置で複数(4-6point程度)を計測して、共通する周波数の暴れだけをターゲットとする、が基本的な使い方のようですが、自分は今のところ一点測定のみしかしていません。


一番悩んだのは、ゲートの長さです。最初は一応20Hzまで測定したいので50msとしてみました。

IRにおいてトリガーから何ミリ秒後までの音が人間の耳に同じ音として聴こえるのか、ゲートを何ミリ秒で指定した場合の周波数特性が実際の人間の聴こえの感覚と近いのかは、どうも議論が別れているようです。なかなかはっきりした時間の指定はないのが現状のようです。

色々探したところ、スピーカーメーカーのアヴァロン社のなかに面白い記述がありました。
聴覚/脳のシステムは、100分の1秒以内(10ms)に到達する音を取り込んでしまうので、側壁からご自分の聴く位置までの一次反射をコントロールすることが重要になってきます。表面の堅い壁は周波数別の反響を引き起こし、再現されたサウンドステージに影響を与えます。従って、一次反射の発生する面においての反響を弱める必要があります。室内音響の質を下げる要因となるものの一つが一次反射の存在です。一次反射とはスピーカーから直接放出されてから1/100〜1/50秒後(10-20ms)にリスナーの耳に届く音のことを指します。
スピーカーからの直接放射された音の到達より1/25秒(40ms)以上遅れて音がリスナーの耳に届く場合これはこだまとして聴こえてしまいます。ところが1/50秒前後の遅れなら耳と頭脳の器官は2つの音を1つとしてとらえます。2つの音を1つとしてとらえるとき聞き取れないこのわずかな遅れは、いってみれば隙間として記憶され、反射を作り出す空間の物理的広さを想像させます。
しかし、音楽ソースにはすでに録音現場の空間を想像させる情報が盛り込まれています。一次反射はこのライブの雰囲気を不明瞭にする傾向があり、音に幅がなくなる結果を引き起こすのです。音の到達が1/100秒後である場合、この傾向は特に深刻であり、1/50秒後くらいになるとそれほど問題でもなくなってきます。


しかし、今回は前述の通りに20Hzまで見たかったのでとりあえず50msecでunsmoothingで見てみました。一例として、拙宅でNeumann KH120Aを試聴位置測定した場合です。
Neumann KH120A Rch 50msec unsmoothing
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Neumann KH120A Lch 50msec unsmoothing
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いろいろとゲート時間を変えながら波形を見てみましたが、一次反射音までをゲートにいれた段階で周波数特性はほぼ決まり、その後の残響音ではあまり変わりませんでした。もちろん、拙宅がリビングのためややデッドで、低域残響時間もそんなに長くないためかもしれませんが...
やはり、一次反射面の対策が重要であることが分かります。

そこで、20msecでスムージングをかけたものとの比較もしてみました。
Neumann KH120A Rch 20msec 1/24oct smoothing
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Neumann KH120A Rch 20msec 1/3oct smoothing
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Neumann KH120A Lch 20msec 1/24oct smoothing
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Neumann KH120A Lch 20msec 1/3oct smoothing
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スムージングをかけると傾向は分かりやすくなりますが、ピークの正確な周波数は分かりにくくなりますし、近傍周波数の2つの山が1つに見えたりします。逆に高域はunsmoothではちょっと判断しにくいですね。低域ほどunsmoothingで、高域ほどsmoothingで判断する必要がありそうです。
また、ピークを示す周波数特性において、周波数の山のQは周波数とピークから-3dBとなる周波数から計算できます。


さて、問題はこれからです。
この周波数特性に合わせたEQを作製するのですが、どれくらいまでの周波数を、どれくらいカットするかがさっぱり分かりません。今年も思考錯誤してみたいと思います。

(一旦、終)
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Commented by ケン at 2015-04-22 08:29 x
 EQは低域ではセッティング優先でKYOZOOが良くできています。後はピークの半分ぐらいを落とすぐらいでよいかと。高域の方がEQが使い易いですね。

 反射時間は私もまだ良く解りません。長めに取った方が部屋込みでの感覚とマッチするように感じていますし、データも結構変わります。

 WaterFalltypeはRINKAKUがちょっと怪しいのでomniMICを使っていますがCSDなどより見やすいように思いますし、面白い使い方も出来そうですので色々試しています。
Commented by tetsu_mod at 2015-04-22 10:02
> ケンさん
おはようございます。
REWとRINKAKU/KYOZOOは今年のTo doだと思っています。一つの解析(ソフトウェア)で全てが分かるほどの知識はないので、複数の解析方法で多角的に捉えられたらいいな、と思っています。
仰る通りに、ピークを全部落としてしまうと、部屋情報がないような違和感を覚えてしまうので、適度な部屋鳴りはいるのかな、と感じています。が、どこを基準にしてどれぐらい削るか、はやはり難しいですね...

反射時間も、拙宅がリビングでモノに溢れているため短めだからかもしれません。ライブな環境や大きい部屋では、また違う測定条件が必要だと思いますが、なかなか実験できない部分です^^;
by tetsu_mod | 2015-04-21 18:46 | オーディオ | Comments(2)