セッティング、EQ 2015ver. -(2)

キャンセレーションディップ
壁からの反射でスピーカーの音が打ち消され、低域に深いディップができます。ジェネレックやノイマンのマニュアル、オタリテックのサイトに詳しい説明があります。対策は左右の条件をかえてディップ位置をズラす、無限大バッフル(壁埋め込み)、壁から離す、ローカットしてディップ以下をサブウーファーに任せる、シルヴァンなどです。 壁埋め込みはハードルが高く、かつ現代スピーカー特有の空間表現とバーターになります。アヴァロンやカルダスのマニュアルは壁から離すように記述していますが、2mは日本の部屋では困難でしょう。シルヴァンは定在波でもそうですが、連続的に壁との距離がランダムに異なるようになるため、ディップが散って浅くなります。十分な効果を得るには60cmとか必要になるので、部屋がかなり狭くなります。日東紡のサイトに載っている個人宅は全面60cmシルヴァンで素晴らしい特性です。

共振
部屋の壁、床、家具、カーテンなどはすべて固有の共振を持ちます。この共振周波数が500-2kHz程度の人の声の帯域にかかると、付帯音として認識されることが多いようです。また、共振物の位置によっては定位も引っ張られます。


現実的なセッティングの対策
・左右対称の部屋で、左右対称に設置し、左右中央を試聴位置とする
・スピーカーは部屋の縦/横幅ともに奇数次に設置する(1/3,1/5,1/7….)
・試聴位置は横幅は1/2となるが、縦幅は奇数次にする。
 1/2,1/4の位置は少なくともさけ、38%(35%-43%)がいいとの意見もある。
・耳の高さとacoustical axisを合わせる
・スピーカー設置のシミュレートにはStandWave2が非常に便利

まずはブーミングの一因になる部屋のコーナーをツブす。スピーカー側(前側)のコーナーが有名ですが、他に盲点なのは天井のコーナーです。家具やカーペットがないので、三面ライブなコーナーができます。 そのうえで、狭い部屋では適度に壁に寄せて(〜1m)、一次反射面を拡散でケア、定在波・残響は家具や吸音材でケアになるかと思います。視聴位置背面側は吸音が基本ですが、視聴位置真後ろだけは拡散ディフューザーも推奨されています。空間表現がよくなるそうです。 広い部屋は住んだことがないので分かりません(笑)
そのうえで低域の残響調整に電気的なEQ補正の必要性を検討すればいいかと思います。基本的に、パッシブスピーカーを使う限りはユニット毎のディレイや補正は出来ませんので、部屋補正はすべてPEQ(パラメトリックイコライザー)による補正になります。また、キャンセレーションディップはいくらブーストしても絶対に埋まらない(打ち消しあうだけ)し、視聴位置〜壁に起因するディップの帯域をブーストすると、頭の位置がズレると帯域もズレるので、オススメ出来ません。 なので、基本的にはピークの帯域だけをPEQでカットするだけ、が現実的解答だと思います。
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Commented by ぐり at 2015-04-17 10:32 x
自分もルームアコースティックとセッティングには相当に悩んだ口なのでかなりの測定とセッティングを繰り返しました。
特に定在波との戦い・・・
例えば部屋の隅から少しずつマイクを移動すると見事に一定間隔ごとのピークとディップが現れます。
しかもその間隔は周波数によっても違うし・・
そしてこれらは何をどうやっても消すことなど不可能ということを悟りました。
吸音材などは一見効果があるように思いますが、それはたまたまそのセッティングのときにその位置でどこかの周波数が多少減ったに過ぎません。
吸音材は定在波には無力で、残響時間の制御と反射にしか効果がないと思いました。
それと一度スピーカーを離れた音は複雑な反射もあって位相も全く別物になっており、スピーカーで位相を揃えるなどはメーカーの製品を売るための一人よがりであるとさえ思いました。

結局結論に至ったのは低音においてはピークとディップを利用して自分の理想とする音が聴こえる位置にスピーカーと自分を配置することです。
低域は頭を振った程度なら大丈夫なので身動きもできないということはありません。

中高域においては理想の音場を再現しようとすると反射もそれからスピーカーの後ろからの距離や間隔も影響が大きいので反射を制御するツールや壁からの距離、角度などを調整して何処でまとめるかですね。
最後は耳(というか自分の好み)が頼りです(笑

自分ではオーディオは半分かもしかしたらそれ以上ルームアコースティックだと思ったりしてます(笑
Commented by tetsu_mod at 2015-04-17 16:56
> ぐりさん
気密性の高い専用室を持たれている人ほど、激しい定在波と格闘されている気がします。逆に僕転勤族リビングオーディオ派なのでアコースティックな補正に限界があったため、EQの勉強をしました。
ぐりさんの実験結果とご意見にまったく賛同です。定在波は、どんな対策をしても『散らす』ことはできても『なくす』ことは出来ませんものね… 吸音材を入れても、吸音周波数としては吸って欲しい低域はほとんど吸われずに中高域ばかり吸われますから、石井式ほどの物量と表面を半分反射面にする、というのは一つの解答でしょうけど規模が…^^; おっしゃるように、定在波・反射派による挙動はスピーカー位置・リスニングポイントによっておおきく変わりますから、まずはセッティングをしっかり詰めること、アコースティックな補正をすること、だと思いますし、ぐりさんの結論と全く同じだと思います。そのうえで除去できないピークをEQで対処できないかなぁ、と思っています。
今回は低域のみに話を絞りましたが、中高域以上の吸音・拡散と残響時間の話もいつかまとめたいです。ルームアコースティックは本当に難しくまた楽しいと思います。

個人的に、『位相が揃う』『スピードが速い』『波動』は3大オーディオ危険キーワードだと思っています(爆) クロスオーバーでのユニット毎の位相差を調整、は分かるのですが...反射派位相なんてコントロールできませんし、そもそも人間の耳では絶対位相は分からないので(笑)
by tetsu_mod | 2015-04-16 21:55 | オーディオ | Comments(2)