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Sonus Faber Guarneri Homage - Active crossover (1)

Sonus Faber社の名機スピーカー、Guarneri Homageのアクティブクロスオーバー化のお手伝いをさせていただく機会がありました。Guarneri Homageといえば1992年発売ですから、もう22年前のスピーカーですが、その後のGuarneriシリーズのなかでも、僕はHomageがもっとも姿・音ともに好ましいと思っています。今回、Active crossoverにされるとのことで、喜んでお手伝いさせていただきました。

Guarneriシリーズはかなり背の高いスピーカー(スタンドが高い)ですが、試聴位置も高くしてツィーター軸上で聴かれているとのことなので、今回はツィーター軸上1mでの周波数特性で追い込んでいくことにしました。
まずはノーマルクロスオーバーの評価をしていきます。

normal passive crossover far field, normal polarity
Sonus Faber Guarneri Homage - Active crossover (1)_d0122127_8492424.jpg

絶対位相回転も穏やかですし、大きなdip,peakもありません。
10kHzからやや上昇、18kHzから減衰しています。
Stereophile.comの測定とほぼ同様です。
今回はクロスオーバーのみの改造ですので、near field,port responseの測定はしていません。far field測定のみなので、300Hz以上しか評価対象にしていません。

normal passive crossover far field, reverse polarity
Sonus Faber Guarneri Homage - Active crossover (1)_d0122127_8532911.jpg

純正ネットワークで、tw/wfを逆相接続にした場合です。
reverse nullも出ていますが、形はやや歪です。

ここから、ユニットそれぞれの特性測定を行っていきます。
normal passive crossover far field, tweeter
Sonus Faber Guarneri Homage - Active crossover (1)_d0122127_854356.jpg


normal passive crossover far field, woofer
Sonus Faber Guarneri Homage - Active crossover (1)_d0122127_8551847.jpg


インパルスレスポンスの波形から、tw/wfは逆相接続になっていることが分かりました(画像なし)。
つまり、上記のreverse nullは正相接続で観察されており、12dB/octでのクロスが予測されます。
ところが、"crossover frequency: 2.5kHz. Electrical crossover slopes: 1st-order, 6dB/octave."と書かれています。
ホンマか?
そこで、ARTAのtarget curveを重ね合わせてみます。
Sonus Faber Guarneri Homage - Active crossover (1)_d0122127_945134.jpg

Linkwitz-Riley -12dB/oct, -24dB/octを重ねてみたところです。
ここから、Guarneri Homageの純正クロスオーバーは電気的には-6dB/octの設計だとしても、実際の音響的動作はLR2 crossoverであることが分かりました。

(続)
by tetsu_mod | 2015-03-16 09:07 | オーディオ