vifa D27TG vs ScanSpaek D2905/9500

ATC SCM50クローン製作中のぐりさんが、Blog内に面白い記述をされていました。
>オリジナルのSCM50はツィーターが貧弱で同じものを使う気にはなれない
(http://guri2525.blog.fc2.com/blog-entry-13.html)

個人的には大いに賛同する部分です。
SCM12slに至っては、さらにvifaの最廉価ラインのBC25シリーズです。
ATC社の、あの気合いの入ったmid/wfと比較して、twのやる気のなさは...
僕は最終的にはScanSpaek D2905/9700に換装しましたが、ぐりさんはD2905/9500を選択されています。

そこで、webからvifa D27TG, ScanSpeak 9500のカタログデータと、SCM50/100のネットワーク回路を入手して、シミュレートしてみました。
方法ですが、pdfで配布されているユニットデータを、フリーソフトのSPL tools(SPL tracer)を用いて周波数特性(.frd)、インピーダンス特性(.zma)で抜き出します。続いて、フリーソフトのThe EdgeでSCM50のサブバッフルサイズでのツィーターバッフルステップ特性をシミュレートします。正確なサイズが不明だったので、サブバッフルとエンクロージャーの段差は2cmと考えました。ツィーター位置は目測ですが、マイクはツィーター軸上にしています。
トレースした特性とバッフルステップシミュレート特性を合成し、フリーソフトのSpeakerWorkshopに取り込み、SCM50/100のネットワーク回路で計算します。
つまり、タダで出来ます(笑)
ちなみに、SCM50/100がまったく同一のネットワークであるあたり、ATC社のこだわりのなさを感じてしまうのですが....

d0122127_15495189.jpg

赤:SS 9500 黄:vifa D27
カタログからトレースした特性を、SpeakerWorkshopで比較したものです。
9500は名機と呼ばれるだけあり、素晴らしい特性ですね。最大で3-4dBほど能率が違います。

d0122127_15515080.jpg

Edgeでバッフルステップのシミュレートを行います。
最大2.5dBのリップルが出ます(→参考記事
tw直径は同じものとして考えましたので、バッフルステップにかんしては双方同一条件と考えます。

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トレース特性と、バッフルステップを合成し、仮想ユニットを作ります。
このユニットに、ATC純正ネットワークを再現して計算します。

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赤:SS 9500 黄:vifa D27
ツィーターの仮想特性です。
ATC社は3.5kHzクロスと言っていますので、-3dBクロス??
当然ですが、9500が能率が低いです。

d0122127_15582247.jpg

赤:SS 9500 黄:vifa D27
そこで、純正ネットワークを少し変更したのがこちら。
4.8kHzのリップルはバッフル形状によるもので、これを補正するにはクロスをさらに上げる、もしくはバッフルラウンド加工が必要です。その他の周波数ではさすが9500、素晴らしいフラットネス。
特に14kHz以上ではvifaと大きな違いが出ます。
ATC SCM50 ver.ぐりさん、楽しみですね。


※なお、この記事にぐりさんの許可は取っていません。
※ぐりさん、遊ばせていただきました。すいません...
※すべてシミュレーションであり、実測データではありません。
※mid側との位相差を考慮していないため、うまくクロスオーバーするかどうかは、また別の問題です。
※SM75-150S用のネットワークですので、SM75-150だとまた変わるかも...??


などと書いていたら、ATCも4月1日から値上げですか...
SCM100sl/2はついに200万オーバー。エイプリルフールじゃないのかな.........
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Commented by はやぶさ at 2015-02-20 06:52 x
てつさん
現行型は値上げしても前期の50や100はあまり変わらないと思いますので、以前使っていた50もまた使いたいと思っています。

50は100より低域のレスポンスが良くて好印象でした。
ですが、ほとんど見ないです、笑。
Commented by てつ at 2015-02-20 09:11 x
はやぶささん
50は数少ないですよね。でも、100はやっぱり大きいし、50のほうがプロポーションは綺麗だと思います。
初期50は僕も欲しいですが、ユニットの再着磁を含めたオーバーホールは必要そうですね。
Commented by ぐり at 2015-02-20 13:37 x
てつさん

いやー、自分のやってることでこんなに楽しんで頂いて光栄です。
素晴らしいシミュレーションですね。
特にリップルについてはATCが形を変えたことの裏付けが解るとはすごい!

ツィーターの選択では自分でも悩みました。
でも結局決断の経緯はてつさんのシミュレーレーションに比べたら恥ずかしいような単純計算で・・(^^ゞ

ご指摘の通りD27の方がざっと3dbぐらいレベルが高いのでどうしようか悩んでミッドとの繋がりを考えてたんですが、ミッドのノーマル150は磁石の大きい150sより約3dbぐらいやはりレベルが低いのでそうなるともしかしたらネットワークいじらずともノーマル150と9500は意外と繋がりが良いのかもしれないと考えました(発想が単純!
ミッドのネットワーク見ると-2db余りのアッテネータが入ってる様でこれを取り払おうかと悩んでましたが9500ならその必要がないのかもと(この時点でこれは一石二鳥かと思ってます(笑
そうすると今度はウーハーとの関係です。
単純計算ではウーハーは2db程度はレベルを下げないといけないことになるんですが、
そこでてつさんも指摘されてる、SCM50と100が同じネットワークというところにたどり着きます。
はたしてこれは実際どうなのだろうと・・
もしかしたら下げなくてもそのまま行ける可能性も十分あるのではないか・・(身勝手なご都合主義です(笑

そんなわけで自分的には150と9500そしてウーハー234のSCM50はとてもいい組み合わせの可能性があると思ってます(爆

バッフルの形状については理想を求めるのならATCが変えたあんな感じにするのが手っ取り早そうですね。
ただ自分的には初代が気に入ってたということで、形もそして特性の悪い音の部分も含めて(特性的にフラットなスピーカーが欲しいわけではなくて)必要悪なのでこのままでいいかなと思ってます(笑
なのでバスレフポートも近ごろのATCのは風切対策か径が大きく、且つエッジが丸めてありますが、これもあえて初代のまま行こうと思っています。(果たしてほんとにいいのか・・
なのにツィーターは変えてますが(^^ゞ
あれは品のない耳障りな音に感じることも多かったのでさすがに我慢できませんでした(笑


すごく参考になりました。ありがとうございました。
Commented by てつ at 2015-02-20 14:38 x
ぐりさん
ATC 3way自作は自分も夢想していたので、ブログはとても楽しく拝見させていただいています。
勝手にシミュレートして、差し出がましいマネをしました。150が3dB低いとは知りませんでした、僕はSM75-150/150Sの性能諸元を見つけられなかったので…。資料があればもう少し詳しくシミュレートできるので、探してみます(笑)


〉ただ自分的には初代が気に入ってたということで、形もそして特性の悪い音の部分も含めて(特性的にフラットなスピーカーが欲しいわけではなくて)必要悪なのでこのままでいいかなと思ってます(笑
よく分かります(笑)
僕も自分のSCM12slにラウンド加工(トリマー)は出来ませんでした。ATCのあの角張った見た目も性能ですよね!(笑)

もし、測定までされる予定がおありなら、拙宅に使わなくなったベリンガーがありますので、言って下さい。
Commented by ぐり at 2015-02-20 16:57 x
てつさん

>勝手にシミュレートして、差し出がましいマネをしました。

全くそのような事は思っておりません。
近頃訪問させてもらったブログの記事のなかでは最もおもしろかったです(^^)

>もし、測定までされる予定がおありなら、拙宅に使わなくなったベリンガーがありますので、言って下さい。

おお、ありがとうございます。お心遣いほんとに嬉しいです。

ここで可愛く、では是非お借りしたいですと言いたいところなのですが、もしマイクのことを言われてるのならベリンガーのECM8000でしたら持っていたりします(可愛げが無くてすみません)。
それとDEQ2496を使って電子的なフラット化などをして遊んだりしましたが、電子的フラットはとてもつまらない音だったので今は物置にあります(更に可愛げない(笑

うちは一応防音なのでルームアコースティックの調整にとても苦労してきた経緯があって、自作のピンポイントの定在波を吸収する多孔式の吸音ツールとか色々過去に作って来ました。
今も壁の反射調整ツールは自作のもので調整しています。
そんな関係で測定も随分したんですが、そういう意味で行くとうちで測ったらスピーカーを測ってるのか部屋の特性を測ってるのか客観的な区別はとても難しそうに思えます。
でも自作スピーカーは自分の部屋専用にチューニングしてしまえば良いという考え方もありと思えますし・・
外で測るのも手ですが山の中の一軒家でもないのでそれもできないですし考えたらきりがありません(笑

そんなわけで測定までするか耳を頼りにあくまで自分の理想のSCM50を目指すのか・・実はまだあまり深く考えてません(笑

ただ言えるのは、一度作ればこれから長く楽しめそうだということぐらいでしょうか(^^)

ほんとにありがとうございます
&連投・長々とすみません。m(__)m
Commented by tetsu_mod at 2015-02-20 17:21
ぐりさん

DEQ2496のフラット化、つまらないですよね(笑
個人的にはDEQ,DEQX,APEQ,DGあたりのフラットカーブ、好きじゃないです。スピーカーの音聴いてるのか、EQの音を聴いているのか分からなくなる気分がして(笑) 今、色々と実験していますが、正確な測定とピークのカットのみがいいと思っています。ディップへのブーストはちょっと...

防音室、羨ましいです! しっかりした防音室の場合、壁が固い&低域の残響時間が長くなりがちなので、定在波やキャンセレーションディップで苦労されるようですね(逆に和風建築は防音性能は低いですが、低域特性は素直な気がします)。それでも、疑似無響音室測定を使えば部屋の影響はキャンセルして測定は可能です(http://www.hi-net.zaq.ne.jp/bugra101/pdf/ARTA%20essential%20manual%20Rev20.pdf)(Iridium17さんのまとめが、おそらく日本語ではもっとも詳しいので引用しました)が、バッフルの長辺の2倍以上離して測定を推奨されていたりで、SCM50のサイズだとなかなか難しいかもしれません…。
僕は転勤族なので、可能な限り単体でフラットな特性を目指しましたが、部屋あってのオーディオですものね。完成を楽しみにBlog拝見させていただきます。

本分よりもコメント欄が充実するほうが面白いので、これからもコメントをいただけたら幸いです。
by tetsu_mod | 2015-02-19 16:04 | オーディオ | Comments(6)