クロスオーバー-75 エピローグ(2)

今回の作製における反省点は以下の4つです。
1.エンクロージャー
2.ウェーブガイド
3.インピーダンス
4.電気位相回転


1.エンクロージャー
 SCM12slは、ATC社の名機、SCM20のダウングレードモデルです。ウーファーは同一ユニットですが、ツィーターが廉価版に、クロスオーバーは使い回し、そしてエンクロージャーは小さく、薄くなりました。密閉型ですので、エンクロージャー容積の縮小は低域再生能力の低下を意味します。
周波数帯域(-6dB, free-standing、near field)
SCM12sl : 62Hz 〜 20kHz
SCM20sl : 60Hz ~ 20kHz
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ちなみにこのウーファー、フリーエアではfo=55Hz程度です。
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また、エンクロージャー容量以外にも、バッフルステップの問題がありました。
バッフルステップはバッフル面積がある以上は必ず発生しますが、ラウンド加工をすることで回析が分散し、特に高域でのリップルが減少します。
今回のSCM12sl-modでのツィーター位置、バッフルサイズにおいて、ラウンド加工のありなしでツィーター軸1mでのバッフルステップシミュレーションの比較がこちらです。
ラウンドバッフルなし
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1インチ(2.54cm)ラウンドバッフルあり
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周波数特性のフラットをおう以上は看過できないリップルの差です。
実際、ATC社のミドルモニター、SCM100においてはコンシューマーは昔のままのバッフルですが、プロ用はラウンドバッフルに変わっています。
ATC SCM100sl/Ⅱ
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ATC SCM100slA pro
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(いずれもエレクトリ社から画像拝借)

ウェーブガイドを採用することで、バッフルステップの影響を軽減できるとの説もありますが、最終的な今回のツィーターの裸特性とバッフルステップシミュレーションの比較がこちらです。
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他にも、吸音材がたっぷり充填されておりインピーダンスカーブに観測されるほどのエンクロージャー内定在波はないものの、真四角のエンクロージャー形状などの問題もあります。


これらの解決策として、
・エンクロージャーを作り直す
・バッフルにラウンド加工を施す を検討しました。

エンクロージャーは完全新規でなくとも、Dayton Audio TWC-0.75を使って、バッフルのみ新規作り直すなどが候補になります。
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これならばラウンドバッフル・ラウンドエンクロージャーですしね。

また、エンクロージャーはそのままにバッフルにラウンド加工は、サブに持っているATC SCM7でも採用されてるデザインです。
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しかし、見た目もオーディオ製品の性能の一部であるなら、学生時代にバイトして購入してから12年使ったスピーカーの外観が変わることがどうしても我慢できませんでした。そこで、今回はエンクロージャーに関してはそのままにすることにしました。

2.ウェーブガイド
 ウェーブガイドに関しては、1.とも関連するのですが、もっと開口部が大きいウェーブガイドも設計できるのですが、やはりバッフルにさらに加工するのが嫌だったのと、失敗だった場合純正のプレートに戻せるように担保にしていましたので、純正ツィータープレートと同じサイズで設計しました。
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さらに周波数特性においても、ホーン領域が終わる周波数での音圧の乱れが取れませんでした。
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8-9kHzにおいての部分です。

心当たりとしては、ホーンのカーブが素人計算だったことと、もう一つはホーンのスロート側を、ツィーターエッジのところまで追い込んだ設計が出来ていませんでした。
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上の赤線が今回の設計です。
下の青線のように設計しなければいけませんでした...
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また、ツィーターの取り付け穴がホーンの途中に開口してしまったのも、工夫が足りませんでした。こちらはタングステン粘土で埋めましたが、もっと美しい仕上げができたはずです。


かなり長くなったので、3.インピーダンス、4.電気位相回転は記事を分けます。
当たり前ですが、反省編のほうが圧倒的に長いですね(笑)
素人設計の悲しいところです。
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by tetsu_mod | 2015-01-20 13:55 | オーディオ | Comments(0)