クロスオーバー-60

最終回路の説明をここでしておきたいと思います。
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L1,C2: ウーファーのハイカットフィルターです。今回のエンクロージャーではバッフルステップが100Hz程度からライズするため、それに合わせて、L1=1.5mHが一番最初に決まりました。クロスオーバーに用いるコイルに関しては、DCR(直流抵抗値)を第一の選択基準にしました。最も高価なのは箔コイルですが、どれも軒並みDCRが高く、ウーファーハイカットに適しているとは思えません。最終的に、ジェンセンのトロイダルコイルを用いることにしました。ムンドルフのコアコイルは高すぎですね...

R1,C1:ウーファー用コイル(L1)と組み合わせるパラレルノッチフィルターです。Iridium17さんのSEAS Excel Projectから拝借しました。ウーファーの5-8kHz程度の肩特性を補正します。

C3,R2:ウーファーの高域方向インピーダンス上昇の補正回路です。ATC SCM12,19,20のウーファーはSCM50,100のミッドユニットにコーンを追加したものですが、そのもともとのSCM50,100の75mmミッドドームはSCM100の30cmウーファーの磁気回路の流用です。よって、16cmウーファーなのに30cmウーファーの磁気回路がぶら下がっており、高域方向に強烈なインピーダンス上昇を来たし、L1,C2のハイカットが効かなくなります。C3.R2でこのインピーダンス上昇を補正しますが、クロス周波数付近での位相特性が微妙に変わるので、今回はC3の値(6.8-7.5-8.2)で微調整をする予定です。

C4,L2:ツィーターのローカットフィルターです。今回はウェーブガイドによる音響的音圧上昇のため、かなり小さい値になっています。また、ドライバーに直列に入るコンデンサ(C4,C1)は贅沢をしてジェンセンのZ-superiorを選択しました。

L3,C5,R3:ツィーターウェーブガイドによる音圧上昇の補正回路です。インピーダンス低下と引き換えに周波数特性をフラットにしています。多くのパワードスピーカーでウェーブガイドが採用されていますが、おそらくこのような補正をアクティブのなかに組み込むことでインピーダンス低下に対処していると思います。

L4,C6,R4:ツィーターf0でのインピーダンス上昇の補正回路です。D2905/9700は磁性流体をもたないモデルのため、強烈なf0インピーダンス上昇を来します。磁性流体のメリット・デメリットはいろいろありますが、僕は持たないメリットを優先してチョイスしています。磁性流体を持たないツィーターに関しては、Zaphや書籍においてもf0インピーダンス補正を推奨し、低次のクロスオーバーを避けるように言われています。

L4,C7,R5: スピーカー全体のクロス周辺でのインピーダンス上昇とインピーダンス位相回転の補正回路です。しかし、今回はここに書いていますが注文しませんでした。のちのちのオプションとして検討したいと思います。市販品ではディナウディオが使っていると思われるのですが...
そして民生用ディナウディオの音が好きじゃないので非採用にしました。


最終的にかなり大掛かりな回路になってしまいました。
もっと上級者のかたなら、もっとシンプルで優れた回路を組めるのかもしれませんが、僕にはこれが現状のベストです。いちおう、それでも電気的には2nd topologyなので、ユニットと直列に入る素子は一つだけ(ノッチフィルターはありますが)としました。

さて、これが現実にちゃんとシミュレーション通りの特性となるか、ですね。
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by tetsu_mod | 2014-12-20 14:10 | オーディオ | Comments(0)